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2019/07/22

世界新が続々誕生!パラリンピック陸上競技の特徴って?

パラリンピック夏季大会の競技のなかで、参加人数が最も多いのが陸上競技。

パラ陸上競技は、四肢の欠損や視覚障がい、知的障がいなど、障がいの種類や程度ごとに、細かく分類された「クラス」のなかで競われるのが大きな特徴です。

レーサー(競技用車いす)や義足を用いて繰り広げられる、パラリンピックの陸上競技ならではの戦いは、私たち観客を魅了することでしょう。パラリンピアンをサポートする補助器具や人々(ガイドランナー、コーラー)の役割も知っておくと、より観戦が楽しめますよ。

今回は、パラリンピックの中でも人気が高い陸上競技の「クラス分け」の特徴や見どころなどについて、ご紹介します。

パラリンピック競技ならではの「クラス分け」とは?

パラリンピックの陸上競技には、短距離や中・長距離、リレー種目が行われる「トラック」、走り幅跳びや砲丸投といった跳躍&投てき種目が行われる「フィールド」、ロード(道路)で行われる「マラソン」があります。

オリンピックにおける陸上競技とパラ陸上競技の最も大きな違いは、障がいの種類や程度ごとに「クラス分け」がされている点です。

パラリンピック競技において、この「クラス分け」を行う目的は、2つあります。まず1つは、障がいが永続的なもので、かつその障がいの種類・程度は参加が認められている内容かどうかを確認するため。もう1つは、障がいの差異による不公平をなくし、同程度の障がいのある選手同士で公正に競い合えるようにするためです。

各選手は、原則として「クラス分け」の判定を受けていなければ、競技大会に出場したり、記録を公認してもらったりすることはできません。そのため、競技大会の出場前に、必ずこの「クラス分け」の判定を受けておく必要があります。では、どういった手順でパラリンピック競技の「クラス分け」は行われているのでしょうか。

「クラス分け」のプロセス

パラリンピック競技における「クラス分け」は、下記の3つのプロセスを経て決定されます。

①身体機能評価

問診および筋力テスト・関節可動域テストなどの理学的検査を実施し、参加資格の有無や障がいの種類・程度を判断します。

②技術評価

競技中のパフォーマンスや日常生活での動作能力を評価し、適切な参加クラスを判断します。

③競技観察

「クラス分け」を実施した大会の最初の出場種目を観察し、①と②で判断したクラスが適切であるかを確認した後、最終的なクラスを決定します。

「クラス分け」は、単純に障がいの程度だけでなく、その障がいが医学的、運動機能的な観点からも競技にどのくらい影響するかなどを考慮しながら、専門の知識・資格を持つ判定員(クラシファイヤー)の判断によって決定されます。

この「クラス分け」の規則は競技ごとに異なりますが、陸上競技では特にクラスが細分化されています。その結果、リオ2016パラリンピック競技大会の100m走では、男女合わせて30人の金メダリストが誕生し、大きな話題にもなりました。

陸上競技の「クラス分け」はアルファベットや数字で表記

陸上競技における「クラス分け」では、その選手の競技の種類、障がいの種類や程度をアルファベットや数字で表記します。例を参考にして、見てみましょう。

<陸上競技選手のクラス分け表記例> T53

Tを①、5を②、3を③とし、下記の表に当てはめると、どの競技に出場する、どのような障がいを持つ選手なのかが確認できます。 


競技種類

T=トラック

走競技(100m~マラソン)、跳躍競技(走幅跳、走高跳、三段跳)

F=フィールド

投てき競技(砲丸投、円盤投、やり投、こん棒投)


障がいの種類

10番台

視覚障がいのある立位競技者

20番台

知的障がいのある立位競技者

30番台

脳原性の麻痺のある立位競技者、及び車椅子や投てき台を使用する競技者

40番台

低身長、脚長差、切断(義足未使用)、関節可動域制限、筋力低下等の障がいのある立位競技者

50番台

脚長差、切断、関節可動域制限、筋力低下等の障がいのある車いすや投てき台を使用する競技者

60番台

競技に義足を装着して出場する競技者


障がいの程度

障がいの程度に応じて0~9の番号が割り当てられます。基本的に番号が小さいほど障がいの程度は重くなります。 例:トラック競技50番台の場合 (←重度)T51 T52  T53  T54(軽度→)

つまり「T53」は、脚長差、切断、関節可動域制限、筋力低下などの障がいにより、車いすを使用して走競技に出場する(T50番台は跳躍競技なし)、やや障がいの程度の重い選手ということになります。

パラ陸上競技のルールについて

障がいの種類や程度で分類し、より公平に競うことができるよう「クラス分け」が行われますが、競技を行う上でのルールは、基本的にオリンピックとほぼ同じです。

ただし、義足やレーサーと呼ばれる競技用車いすの使用、ガイドランナー(伴走者)が認められるなど、障がいの内容や種目の特性に合わせて、一部ルールが異なります。

このルールの中で、オリンピックと同じように“より速く、より高く、より遠く”を目指し、選手たちは激しい戦いを繰り広げます。

補助器具や競技サポーターとともにパフォーマンスに磨きをかける!

パラリンピックの陸上競技において、障がいを補うための器具や競技サポーターは、とても重要な役割を担っています。どのような器具や人々が選手をサポートし、また、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。

●レーサー

●義足
陸上競技で使用する義足は、競技用に特化した作りになっており、ルールの範囲内であれば障がいに合わせて、素材や形状などの調整ができます。近年は国内外のトップ選手を中心に、カーボンファイバー製の義足が主流に。地面を踏み込むとバネのような強い反発力を生み、大きな推進力に変えられるのが特徴で、義足の性能向上に伴い、走競技、跳躍競技ともに記録が飛躍的に伸びています。

トラック種目やマラソンなどで使用される、陸上競技専用車いすのこと。大きな2つの後輪と1つの小さな前輪があるのが特徴で、軽くて丈夫なフレームを使うことで高速走行が可能になっています。マラソンの下り坂では、時速50km以上になることも!

●義手

選手が身につける義手には、クラウチングスタート時の補助や、走る際の腕振り、投てきの際に身体の左右のバランスを取る、といった役割があります。

●スタートシグナル

聴覚障がいの選手がスタート時に使用するシグナルのこと。聴覚障がいの選手は、ピストルなどの音を聞いてスタートすることができないため、スタートに合わせて光るシグナルを使うことで、目視でスタート合図を確認できるようにしています。

●ガイドランナー

視覚に障がいのある選手とともに走る伴走者のこと。選手が安全に競技を行えるよう、選手の“目”となってサポートする存在で、1本の紐を選手と握り合い、息を合わせて走ります。

●コーラー

跳躍・投てき種目において視覚障がいのある選手に、踏み切る位置や投げる方向を、言葉・手拍子などで選手に伝えるガイド役を担います。なお、コーラーの声が選手に伝わるように、競技中に観客は静かに観戦する必要があります。

ご紹介した義足やレーサーといった補助器具の性能は、日々進化しています。補助器具を使用するクラスの選手は、これらの補助器具を自分用にカスタマイズし、いかに身体の一部のように使いこなせるか、また高い性能を活用する筋力や技量をいかに磨くかが、重要になってきます。

また、視覚障がいの選手は、自身の肉体を鍛え上げるのはもちろん、ガイドランナーやコーラーとの信頼関係を高めることも、パフォーマンスを向上させるうえで欠かせない要素となっています。

日々進化する競技レベル!世界新誕生の瞬間に立ち会えるかも!?

選手たちの日々の努力はもちろん、補助器具の進化などにより、競技レベルや記録は急速に向上 しています。東京2020パラリンピックでも、世界新記録誕生の瞬間に立ち会えるかもしれません。今回ご紹介した「クラス分け」のほか、補助器具の性能や、選手と競技サポーターのコンビネーションにも注目して、ぜひ観戦を楽しんでみてくださいね。